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まち情報てくてく名古屋レポート

てくてく名古屋レポート

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学生による「まち歩き」ツアー

2020/11/30夢の達成から得られるもの

今回は、たったひとりで世界一周旅行を成し遂げた学生さんにインタビュー!
名古屋で活躍する大学4年生の、佐野仁美さんです。

「まだ見ぬ世界を知りたい」

中学生の頃からこの思いを抱いてきた佐野さんは、
現在、大学で国際的な交流文化を学んでいます。
国際交流団体に所属し、活躍が認められ2年生の時に代表に就任しました。
さらに、ジェンダーについて取り上げるウェブサイトで、世界一周旅行の間にエッセイを執筆していました。
最近は、自分の“好き”で名古屋を面白くするサークル『maps』を立ち上げ、代表も務めています。

プライベートでも、バイトをしては度々海外旅行へ。
国際交流の橋渡しをしながら、自らも海外へ行き、情報発信をして活躍してきました。

そんな彼女が、決断からわずか半年で世界一周旅行に飛び立つまでの経緯から、
まだ見ぬ世界で味わった感動まで、旅の全貌を語ってもらいました。


世界一周旅行のきっかけ
もともと海外に強い関心を持っていた佐野さんは、
思いがけないきっかけから、世界一周旅行に向けて一心不乱に走り出します。

2年生の夏、居酒屋のトイレでふと目に入った一枚のポスター。
そこには、「100万円で世界一周」の文字が。

「100万円で世界一周できるのなら、私にもできるのでは?」

詳しく調べると、ポスターのツアーでは3か月間で100万円でしたが、単独バックパッカーなら150万円ほどで、1年間かけて世界一周ができると分かりました。
今まで自分にはできないだろうと思っていたことに、
手を伸ばせば届くのだと気づいたそうです。
こうと決めたら必ず実行するタイプだという佐野さん。
翌日には、「私行ってくるから」と大学の友達に宣言し、着々と準備を進めました。

しかし出発の1か月前。
治安の悪さ、初めてのひとり旅に対する緊張と不安が襲い掛かるようになりました。
眠れない日々が続いたそうです。

「弱音を吐けば、余計に心配し反対されるかもしれない」

親友のひとりには「私本当に出発するのかな」と漏らしつつも、家族や友人ら心配をかけまいと虚勢を張っていたといいます。

前日は一睡もできないほどの不安を抱えたまま、大学2年生の冬。
ついに飛行機に乗り込みました。
世界一周旅行の始まりです。


旅路は山あり谷あり

旅に出て最初のハプニングから衝撃的です。
出国からたった15日でパスポート、キャッシュカード、クレジットカードをすべて奪われ、一時帰国しているのです!
各国の治安や横行する犯罪を調べ、入念に対策をしていたにもかかわらず、このような目に遭ってしまったそうです。

帰国してパスポートの再発行などの手続きをしている間、家族に旅の続行を猛反対されたといいます。
帰国の理由が恐ろしすぎますよね。大事な娘を、危険な場所にまたひとりで送り出すなんて、とても賛成できることではありません。
ご家族には少し同情してしまいますが、制止を振り切って再出国した、佐野さんの意志の強さには脱帽です。

再出発後も、ずっと危険と隣り合わせだったそうです。
特にアフリカでは、女性がひとりで歩くのは非常に危険で、道中で出会った同志と、常に一緒に行動しなければなりませんでした。
外を歩く前に地図を暗記し、堂々と隙を見せずにいる。ゲストハウスなどの宿で寝るときも貴重品には細心の注意を払う。このような対策を徹底したため、休まる暇も無かったといいます。

日々悩まされていたのは、文化や言葉の壁、さらに衛生面。
日本では考えられないような衛生状態の宿に宿泊することも多く、
虫や、温水の出ないシャワーに耐える日々だったそうです。
南米・アフリカでの滞在が特にひどく、精神的、肉体的に追い詰められることも。


旅の醍醐味
どんなに大変で、辛く、日本が恋しくなっても、
彼女は世界一周旅行をやめませんでした。
どんな日々のストレスよりも、
「知らない世界を知りたい」という好奇心が常に勝っていたから。

知らない世界との出会いとは、日本にいるだけでは味わえない感動と、
新しい感情との出会いなのだと語ります。

そんな佐野さんが、
それまでの苦労を、すべて忘れるほどの感動を味わった場所の一つが、
ペルーのマチュ・ピチュでした。

小学生の頃から、遺跡に憧れていたそうです。
その中でも一番行ってみたかった、
思い入れの強い遺跡がマチュ・ピチュ。
長い間、憧れの遠い世界だった地に、ついに足を踏み入れた時、

「とうとう、私ここに来たんだ!」
「夢を叶えたんだ!」


胸を突き上げる大きな感動で心が満たされたそうです。

同時に、彼女をとりまくあらゆるものに対する、
感謝の気持ちが沸き上がったといいます。

「両親が支えてくれたから、友人が応援してくれたから、
 この憧れの地にたどり着いた自分がいる」
「いくつもの困難を乗り越え、夢を達成した自分がいる」


そんな全てのことに、ありがとう、と思ったそうです。
カメラに向けられた、心の底から湧き上がってきたような笑顔が輝いています。
この笑顔が、彼女の心を満たした感動の大きさを物語っていますね。
「いつか家族と旅をして、この感動を分かち合いたい」と話していました。

さらに彼女が、新しい感情に出会えたと語る場所は、
世界で一番美しい砂漠といわれる、
アルゼンチン、ボリビアにまたがるアタカマ砂漠です。

そこで見上げた夜空。
星がこぼれそう、という表現が一番ふさわしい、満天の星だったそうです。

写真だけでも、空を埋め尽くす星に圧倒されますね。
写真には写らなかった、小さな星もきっとたくさんあるでしょう。
そしてそれが見渡す限り広がっている、迫りくるような空を、
佐野さんはその目で見たのです。
その時、自身がとてもちっぽけな存在に感じました。

「せっかく地球に生まれたのだから、余すことなくこの目で見たい」

そんな思いで旅をしているのだと、インタビュー冒頭に語った佐野さん。
私たちは、なんて広い視野で世界を見ているのだろうと、思わずため息がこぼれました。

しかし満天の星を前にして、地球ですら、狭い世界しか見えていなかったと思えたそうです。
地球は、広い宇宙にたくさんある星のひとつに過ぎず、
その中に生きている自身はとても小さな存在だと話していました。

そのうえで、地球上の、愛知県に暮らす、今の家族のもとに生まれたこと、たった100年の人生で重なりあい、大切な人たちに出会えたことの奇跡をかみしめたそうです。
アタカマ砂漠の夜空で、宇宙を感じたのだと、はにかみながら語っていました。

このように、知らない世界に行った時にしか味わえない感動や、
できない体験があるからこそ、彼女は旅に出るのだそうです。
たとえどんなに大変な道のりだったとしても、
もっと旅をし続けたいと、佐野さんは夢を追い続けています。


「人間は自由」
1年間の世界一周旅行を終えて、佐野さんは、
「人間は、自由」だといいます。

「日本での当たり前は作られたものでしかない。
 日本にいなければいけない、と決まっているわけではない。
 文化や価値観は、自分で選択する自由がある。
 たとえ誰に干渉されたとしても、
 わたしは私だと、自分を強く持てばいい。」


彼女は、日本での当たり前が全く通用しない外の世界に飛び出し、
ありとあらゆる文化や価値観に触れてきました。
他の考え方を知ったことで、
自分を生きづらさから解放できるようになったそうです。
今まで当たり前だと思い込んでいたことに必ずしも従う必要はなく、
生き方はいくらでも選べるのだと気づいたのです。

国際的なジェンダーについても学びを深めることができたそうです。
エッセイのために、多くの人にジェンダーに関してインタビューをしたといいます。
そこで知った各国のジェンダー観や、旅の途中で感じた女性の身の危険さ、
生きづらさなど、女性差別をいやというほど感じたそうです。
日本でのジェンダー観は、先進国の中でも大きく後れていると問題視されています。
しかし日本以上に、女性というだけでこんなにも生きにくい世界がまだあるのだと、
身をもって知ったといいます。


夢見るあなたへアドバイス
今回は、たったひとりで世界一周旅行を成し遂げた、
名古屋で活躍する佐野仁美さんをご紹介しました。

現在は、佐野さんが今年立ち上げた『maps』というサークルで、代表を務め、
名古屋を中心に活躍されています。
コロナ禍で大学生活を充実させられない学生が、活動できる場を作りたかったそうです。
一人の力では難しくとも、同じ目的をもつコミュニティがあればチャレンジできることがあるのではと考えたそうです。
エンターテイナーが活動するエンタメ部門、イベントを0から作り上げるプロジェクト部門、自身の経験を生かしたトリップ部門と活動の場を広げています。
現在も『maps』では仲間を募集中です!
興味のある方は、下記の連絡先までご連絡ください。

『maps』連絡先:positivegenki@gmail.com

世界一周旅行を達成し、思いを形にしてサークルで活躍する彼女に、
夢を叶えるための3つのアドバイスをいただきました。

①    夢を叶えた人の話を聞くこと
②    夢を周りの人に宣言すること
③    情報を集めること

夢を実際に叶えた人は、その道筋を知っています。
人を巻き込めば、逃げ道を作らず、確実に夢を現実にできます。
情報を糧に、さらなる高みにたどり着くことができます。

「その夢を叶えることが、無理だと思っても行動してほしいです。
 そこに向かって努力したことは無駄にはなりません。
 努力で得たものは自分の力になり、
 それは努力しなかった未来では得られなかった力です。
 行動の先には、努力しなかった自分より選択肢が広がり、
 やりたいことに、より近づけている自分がいます。」


佐野さんから、“夢が叶ったか、叶わなかったか”という結果よりも、
その努力に輝きがあるのだとアドバイスを頂きました。

夢を実現するための一歩を踏み出せないとき、
佐野さんのアドバイスをお守りにしたいと思います。

勇気を出して一歩踏み出してみませんか?

(写真提供/佐野仁美さん)
(文/鈴木沙也香、加賀田麻衣)